俳優の渡哲也さん(本名:渡瀬 道彦さん)が2020年8月10日都内の病院で肺炎のため亡くなっていた。 78歳だった。
所属事務所の株式会社石原プロモーションは、8月14日 お知らせを発表
長きにわたり病との闘いの末去る令和2年8月10日午後6時30分に肺炎のため都内の病院にて旅立ちました。
ここに生前のご厚誼を深く感謝いたしますとともに、謹んでお知らせ申し上げます
とのこと。
葬儀は、本人の希望により「家族葬」が執り行われた。
故人の遺志により、香典、供物、弔電、供花などは辞退すると共に「お別れの会・偲ぶ会」等は行わないとのこと。
日活のアクションスターとして、「大都会」や「西部警察」などで不動の人気
凛とした姿と高い演技力で映画やドラマ、テレビCMなど幅広く活躍した渡哲也さんは、昭和40年映画「あばれ騎士道」にてデビューした。
その後、「大都会」や「西部警察」など刑事もののテレビドラマで不動の人気を誇りました。
西部警察では「大門 圭介(だいもん だいすけ)」を演じ石原裕次郎さんと共演しています。
PART-III最終回スペシャル「大門死す!男達よ永遠(とわ)に…」で渡哲也さん演じる大門 圭介が住職するシーンでは、
石原裕次郎さんが演じる木暮 謙三(こぐれ けんぞう)がアドリブで声をかけるシーンがある。
「おまえを弟のように思っていた」と涙を流す姿に
哲也さんは、「私に対する思いをせりふとしてしゃべってくださったんだと理解しています」と後に語っている。
石原裕次郎さんはその約2年後肝臓がんのためこの世を去った。
背姿で表現する唯一無二の俳優 渡哲也さん 石原裕次郎さん亡き後、石原軍団の長として
石原裕次郎さん亡き後、遺言に従えば「石原プロ」は解散だった。
しかし「みんなが路頭に迷う」ということになり協議の場が設けられたという。
「裕次郎さんだったらどうするかを考えた。出た答えがそれだった」
株式会社石原プロモーションの2代目社長として渡哲也さんが後を引き継いだ。
「大した将来も考えていなかった若者が、ほれ込む男に出会えた。人生それで十分じゃないか」と話していたという。
背姿で語れる俳優として圧倒的な表現力を誇る渡哲也さん。
映画「鉄道員(ぽっぽや)」で降りしきる雪の中で列車を見送る姿は、どんな映画のどんな俳優の背姿より美しかった。
その表現力の源は、ドラマでも現実の人生でも石原裕次郎という巨大な太陽に「仁義」を貫く姿にあったのかもしれない。
ご冥福を心よりお祈りいたします。